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少年事件と弁護士(R3.2)

第1 少年事件とは
 
 当事務所では,少年事件を取り扱っております。
 少年事件とは,未成年者が犯罪を犯してしまった場合等に,事件として取り扱われるものです。
 
 成人の場合,犯罪を犯すと刑事事件として手続が進められますが,少年事件の場合は,家裁に送致された場合は少年保護事件として手続が進められます。
 
 少年事件が発生した場合,加害者側,被害者側,それぞれにとって法律問題が発生することとなります。
 
 当事務所では,加害者側からのご相談・ご依頼,被害者側からのご相談・ご依頼,両方を取り扱っております。
 
 
第2 被害者側からのご相談・ご依頼について
 
 少年事件が発生した場合,当事務所では被害者側からのご相談を受けることも多いです。
 
 例えば,未成年者が窃盗事件を起こした場合,傷害事件を起こした場合,その他の犯罪を起こした場合等です。
 
 被害者側からのご相談を受けた場合,弁護士としては,いわゆる民事事件として,被害者の方の代理人として,加害者側に対して民事上の損害賠償請求を行うことができます。
 
 また,弁護士としては,刑事事件ないし少年保護事件の中で,適切な処分が下されるよう活動を行うことができます。
 
 
第1 加害者側からのご相談・ご依頼について
 
1 民事事件について
 
 未成年者が窃盗事件や傷害事件等の事件を起こしてしまった場合,それは同時に,民法上の不法行為(709条)として,被害者側に対して損害賠償責任を負うこととなります。
 
 そして,犯罪等となる事件を起こしてしまった以上,加害者側から被害者側に損害賠償をしようとしても,加害者が被害者に直接接することができないのが通常です。
 
 そこで,民事上の損害賠償問題について,加害者側が弁護士に委任することができます。
 
 民事上の損害賠償問題について弁護士が加害者側から委任を受けた場合,被害者側との間で損害賠償についての協議を行いますが,被害者側への謝罪等も行います。
 
 仮に,加害者側と被害者側との間で民事上の示談が成立した場合は,刑事事件や少年保護事件の結果にも反映されることとなります。
 
 
2 被疑者段階(刑事事件)について
 
 未成年者が刑事事件を起こしてしまった場合,被疑者段階では,成人の刑事事件と同様,刑事訴訟法が適用され,概ね成人の場合と同様の捜査が行われます。
 
 この段階で,弁護士が刑事事件について加害者側からご相談・ご依頼を受けることもできます。
 
 この場合は,もし弁護士が加害者側から委任を受ければ,弁護人としての活動を行うこととなります。
 具体的には,仮に事件が家庭裁判所に送致されるのが適切でない案件であれば,送致されないよう働きかける活動等を行います。
 その場合,民事上の損害賠償問題についても活動することとなります。
 
 
3 家裁送致後(少年保護事件)について
 
 未成年者の場合,犯罪の嫌疑があると捜査機関が判断した場合,全ての事件が家庭裁判所に送致されることとなります(全件送致主義)。
 
 事件が家庭裁判所に送致されると,基本的には,家庭裁判所が事件を受理し,調査を経て審判期日での審理が行われます。
 
 このような審判(少年審判)が開かれる場合,弁護士が少年の「付添人」として活動をすることができます。
 
 その場合は,被害者がいる場合には被害者に対して謝罪や被害弁償を行うとともに,少年が更生するための環境を整える等して,少年の将来を見据えた活動を行います。

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