1 適格消費者団体とは
皆さん,「適格消費者団体」というのをご存じでしょうか。
適格消費者団体というのは,語弊はあるかもしれませんがごく大まかにいうと,詐欺的な商品を購入させられたなどの消費者問題が発生した際に,被害者である消費者の代わりに,悪徳業者を被告として裁判で訴えたりしてくれる団体のことです。
近年,各種商品の内容や販売方法等が複雑化するにあたって,多くの消費者問題が発生しており,消費者庁などでも注意喚起されています。
消費者問題の被害にあった際に業者に対して請求する場合,法律上の原則としては,それぞれの被害者各自が,業者に対して請求をしなければなりません。
しかしながら,1人1人で請求するとなると,弁護士費用など請求にかかるコストが請求額(被害額)を上回ってしまうケースも多く,その場合,被害者が事実上泣き寝入りせざるを得ないケースもたくさんあります。
そのような事態を防ぐためには,被害者1人1人が訴えるのではなく,同じ商品の被害にあった被害者みんながまとまって,団体として訴訟を提起することを認める必要があります。そのような団体が,「消費者適格団体」です。
そのような経緯により,数年前から,全国的に消費者適格団体を設立する動きが高まっています。
2 長崎の適格消費者団体
我が長崎県弁護士会でも,消費者問題特別委員会での議論をもとに,消費者適格団体を設立することとなり,この度,無事に設立されることとなりました。当事務所の弁護士としても,長崎県弁護士会消費者問題特別委員会の事務局長を担っていること,消費者問題特別委員会適格消費者団体プロジェクトチーム(PT)の一員であることから,適格消費者団体に関する動きに関与しています。
長崎の適格消費者団体については,またの機会に記載させていただきます。
3 佐賀の適格消費者団体
さて,九州内の適格消費者団体については,「九州・四国ブロック適格消費者団体等連絡協議会」などの場で議論がなされているところですが,この度,佐賀の適格消費者団体である「NPO法人佐賀消費者フォーラム」が全国で14番目の適格消費者団体に認定されたことを記念して,平成28年4月16日,佐賀県
佐賀市白山2-1-12の佐賀商工ビルにて,適格消費者団体認定記念報告会等が開催されるとのことです。
同報告会では,消費者問題に詳しい弁護士(消費者庁在籍)を招いて講演等もなされるとのことです。