当事務所では,地域の皆様を中心として法的サービスを提供するとともに,各種地域活動等にも携わっております。
佐世保の地域として注目されている事項のひとつとして,「九州・長崎IR誘致」という事項があります。
長崎県佐世保市へのIR誘致が目指されているについてはすでに皆さんある程度ご存じだと思いますが,地元の経済界を中心として,誘致が目指されております。
地域の経済団体として佐世保商工会議所も,佐世保へのIR誘致推進に取り組んできました。
一方で,全国的に弁護士会(弁護士連合会)からは,国内へのIR誘致に対して懸念が示されており,IR誘致に対して一般的には消極的な姿勢です。
具体的には,弁護士会としては,ギャンブル依存症の方が増えるのではないかという懸念や,多重債務者が増加するのではないかという懸念を抱いております。さらにいうと,ギャンブル依存症の方がもし増えてしまうと,犯罪増加も懸念されます。
そのため,弁護士(法律事務所)である当事務所としては,仮に誘致活動が進む場合,弁護士会が懸念している問題に対してどのような対処がされるのかという点に注目しているところです。
誘致活動の状況としては,2007年には西九州統合型リゾート研究会が発足し,その後ハウステンボス地域への誘致が推進されてきました。
そして,2021年度(令和3年度)には,長崎県による事業者の公募が行われ,2021年8月30日には九州・長崎特定複合観光施設設置運営事業予定者としてCASINO AUSTRIA INTERNATIONAL JAPAN(「カジノオーストリア・ジャパン」)が決定したそうです。
カジノオーストリア・ジャパンは,「東洋文化と西洋文化の融合」をIR設置のコンセプトとしているようです。
そして地元の経済界からは,ハウステンボスとの調和を基に整備が行われる予定であること,佐世保を拠点とした西洋文化の発信が行われる予定であること,佐世保の新しい魅力創出につながると期待されること,IRの運営に必要な物資は地元調達100%を目指すとされていること,地域経済との連携や地元企業の取引拡大が図られること等,佐世保市の経済や文化の発展に効果を発揮するもの,ひいては長崎県の経済活性化が図られるものと期待されているようです。
今後の進行については,長崎県とカジノオーストリア・インターナショナルにて,国への認定申請に向けた区域整備計画の作成が行われたり,地元の経済団体が長崎県が国からの認定を受けられるように関係機関を連携する等して区域整備計画が進められる予定です。
当事務所としては,IRが誘致されることに伴う問題点等も適切に検討され,地域住民の皆様の意見も取り入れていただいた上で,全体的な検討が進められるよう,注目していきたいと考えております。