第1 はじめに
私たち法律事務所(弁護士)以外にも,お困りごとがあったときの相談相手になってくれる方々がいます。
例えば,それぞれの地域には,地域の身近な相談相手として,「民生委員」という方や「児童委員」という方がいます。
そして長崎県では,少子化や核家族化が進み地域社会のつながりが薄れる中,県としても民生委員や児童委員について取り組みを進めています。
特に近年では,高齢者,障害のある子,子育てや介護をしている方等が,周囲に相談できず孤立してしまい,必要な支援を受けられないケースがあります。そのようなケースをなくすためにも,民生委員・児童委員の活用を県としては進めています。
民生委員や児童委員は,非常勤の地方公務員(厚生労働大臣からの委嘱)という身分であり,任期は3年とされています(再任も可能。)。
そして,次回の改選は令和4年12月とされています。
選任にあたっては,市町や県の推薦などを経ることになります。
●訪問活動:高齢者や子育て家庭等,地域住民を訪問し,見守りや相談,支援を行っています。
●子どもの見守りや支援:子どもたちの登下校時,通学路に立って,見守りやあいさつ運動をしています。
●防災活動や防犯活動:消防団や自主防災組織等と協力し,連絡会議をしたり,危険箇所の点検や,災害時に支援が必要な人の把握等に協力しています。また,地域の防犯活動も行っています。
●ふれあいサロン活動:子育て世帯や高齢者等の孤立を防ぐため,地域の方が集い,仲間をつくることができる居場所づくり等をしています。
弁護士(法律事務所)との関係でいえば,弁護士(法律事務所)が主に法律上の問題(トラブル)についてご相談を受けるのに対して,民生委員や児童委員は,主に必要な支援を受けるためのご相談や,地域社会のつながりを生かしたトラブル解決という面でご相談に乗っていただいているようです。
もっとも,民生委員や児童委員だけでは解決することができない事例が多数あります。そのような場合に,民生委員や児童委員からも,当事務所にご相談をいただく場合があります。
一方,当事務所としても,事例の中には,法律上の解決だけでなく,地域社会内での調整がなければ解決することが難しい事例もあります。そのような場合には,民生委員や児童委員にサポートしていただく場合もあります。
そのような事情もあり,当事務所では,適宜,民生委員や児童委員とも連携しながら,紛争の解決にあたっています。
※なお,地域の民生委員・児童委員の管轄は,長崎県の福祉保健課となっています。地域の民生委員や児童委員について知りたい方は,県の福祉保健課(095-895-2416)か,お住まいの市町へお問い合わせいただければと思います。