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皆さま、最近は心身共にお疲れではないでしょうか?
2月末より新型コロナウイルス感染拡大に向けた様々な問題が取り上げられ、全国で、世界で色々な動きが
取りだたされています。一人一人の注意や動きが必要とされていますが、まずは一人の人間としての
相手に対する配慮や心配りも必要ではないのでしょうか。
先日、突然ではありましたが、スクールロイヤー活動に対する取材をNHKさんから受けました。
以前にも一度、スクールロイヤーとしての動きや活動について取材を受けることがあり、久しぶりの再会となりました。
長崎県では、今のところ、スクールロイヤーとしての活動をしているのは弁護士竹口将太のみになります。
また、九州ではスクールロイヤーとしての先行導入をしたのは大分県でした。
大分県の県教育委員会は2018年9月より導入を開始し、県弁護士会の協力を得て、県内に6地区に各3人程の
弁護士を配置することを決めました。公立小中高と特別支援学校を対象に出前事業や教職員研修、
法律相談の実施をはじめとし、年3回は児童征途や保護者からの電話相談にも取り組んでいます。
また2019年度も継続して実施し、平成18年度だけでおよそ38件の学校関係の相談が寄せられたそうです
なお、東京都港区教育委員会は2007年度より、大阪府教育委員会は2013年度よりスクールロイヤーの
導入措置をとっています。2019年度より宮城県を含む12自治体で文部科学省で、大分県をはじめとした
調査研究が始まっています。その中で、2019年9月より、長崎県でもスクールロイヤーの導入を行いました。
文科省はスクールロイヤーを本格的に検討しており、いじめなどの学校内の問題の法的対応を期待し、
今後弁護士の学校事情への理解が必要と発表しています。
このような状況の中、昨年度より長崎県佐世保市でスクールロイヤーとして、手探りの状態ではじめました。
アメリカでは、学校に弁護士がいる制度は一般的ですが、日本では一部導入されているほか、全国的には
ほとんど知られていないのが現状と言えます。日本ではなじみの薄いスクールロイヤーは、
文字通り訳すと”学校内の弁護士”ですが、法律家ですから学校で起こる様々な問題、
例えば教員による子供への体罰や不適切な言動の問題、学校内での子どもの事故、
LGBTへの性差別、それにモンスターぺアレンツとよばれる保護者からの不当なクレームや
近隣住民との問題、教員間でのパワハラやセクハラなどへの法的な対応、予防、解決についても
今後もっと活躍できると信じて少しずつではありますが、自分たちなりに今できることを試みています。
また、先生たちが学習指導や生活指導を抱えてブラック職場化している中、
先生の仕事を法律の専門家にアウトソーシングして先生方の労働の負担を減らしたいという狙いもあります。
日本と違い、アメリカでは一般的な制度で各学校や自治体単位で担当弁護士がいます。
なぜこんなにスクールロイヤーが多いかというと、まずアメリカでは弁護士自体が多く、
弁護士にアクセスしやすい社会だということがあります。実際、弁護士資格を持っている先生や校長先生もいます。
アメリカでは先生が担当するのは学習指導のみです。部活は地域で行うかコーチが別からやって来て行います。
生活指導には基本的にカウンセラーがいますし、いじめなど校内で起こる問題は弁護士が扱うという風に、
アメリカには役割分担があるようです。このように日本との大きな差は既にありますが、少しでも先生、生徒、保護者が
安心して過ごせる学校生活をおくれる手助けをするのがスクールロイヤーではないのかと考えています。
長くなりましたが、今年の9月でスクールロイヤーの導入をはじめて丁度1年になろうとしています。
微力ではありますが、これからもスクールロイヤーとしての活動を頑張っていきたいと思いますので、
何か困っていることがあれば、一人で悩まないでご相談下さい。
今、できることを少しでも変えていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。
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