平成25年9月4日,最高裁判所により,「嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定めた規定(民法900条4号ただし書前半部分)は違憲である」という内容の違憲決定(以下,「本決定」といいます。)が出されました。
この最高裁の判断については,大々的に報道されましたので,佐世保・
長崎市民の皆様におかれましても,ご存じの方は多いことと思います。
日頃から数多くの佐世保・長崎の相続問題を取り扱っている私としましても,このような最高裁の判断が出された以上,近い将来には,嫡出子と非嫡出子の相続分が平等になる日が来るであろうと予測し,法務省から発信される情報をチェックしておりました。
もっとも,民法が法律婚を重視して定められたこと,この判断の是非については社会的な議論が巻き起こっていること等を考えると,実際に法律が改正されるまでには今しばらくの時間を要するのではないかとも考えておりました。
そのような中,平成25年12月5日,民法の一部を改正する法律が成立し,嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になりました(同月11日公布・施行)。
この,改正後の民法900条の規定(以下,「新法」といいます。)は,平成25年9月5日以後に開始した相続については,全ての事案について適用されることとなります。
また,本決定が,①遅くとも平成13年7月においては違憲だった,②その違憲判断は,平成13年7月から本決定までの間に開始された相続につき,遺産分割協議等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない,と判示していることから,平成13年7月から平成25年9月4日までに開始された相続であっても,本決定後に遺産分割をする場合には,新法が適用されることとなりました。
詳しい説明については割愛しますが,今回の法改正は,遺産分割の現場においては大きな改正といえます。
日頃から佐世保・長崎の相続案件に数多く携わっている私としても,今後の事件処理にあたって留意しなければならないと考えているところです。
実際に,佐世保や長崎の相続案件においても,相続人の中に嫡出子と非嫡出子が存在し,意見の相違が解消されないために紛争が長引いているケースが散見されます。
そのような事案において,今回の法改正がどのような影響を与えていくのか,法律の専門家としては,注目していきたいと考えております。
このように,時代の変化により,法律の内容も少しずつ変化していきます。そのような変化に対応するためには,佐世保・長崎の皆様も,法律問題が生じた場合には,まずは弁護士(法律事務所)にご相談いただくことをお勧めします。
佐世保・長崎の弁護士
竹口・堀法律事務所
弁護士 竹口将太