相続の仕組みと遺言書作成の必要性~佐世保・長崎の弁護士【竹口・堀法律事務所】~
第1 はじめに
平成22年の新語・流行大賞に「終活」(「人生の終わりのための活動」の略)という言葉がノミネートされ,その後,平成24年の新語・流行語大賞でトップテンに選出されました。
「終活」とは,「人生の終わりのための活動」の略であり,主な事柄としては生前のうちに自身のための葬儀や墓などの準備や,残された者が自身の財産の相続を円滑に進められるために,遺言書等を作成することが挙げられており,「終活本」などと呼ばれる書籍なども出版されるとともに,相続や遺言といった言葉も世間に馴染み深いものとなってきています。
そこで,今回は,遺言書を作成していなかった場合の相続の仕組みを説 明するとともに,生前に遺言を作成することの必要性についても紹介していきたいと思います。
第2 遺言書を作成しなかった場合の相続の仕組みについて
自分が亡くなったときに所有する財産などを自分の配偶者や子供に相続される人(「被相続人」といいます。)が,遺言書を作成していなかった場合,被相続人の財産(「相続財産」といいます。)は,相続人に対し法定相続分にしたがって相続されることになります。
もっとも,相続人が複数いる場合には,相続財産を共有している状態となり,共有状態が解消されるまでは遺産の管理や処分について制約が生じ,個々の遺産についての最終的な権利帰属が決まらないという状態が続くことになってしまいます。この共有状態を解消するためには,相続人全員による遺産分割協議が必要となります。相続人間で遺産分割の協議を行う際に,誰が現金をもらうのか,誰がどの不動産を取得するのかといったことに関して,相続人間でもめることは少ないことではありません。
このように,生前に遺言を作成していない場合には,残された兄弟や親子の間で財産を巡ってのトラブルを引き起こしてしまいかねません。そして親族間の争いは,他人同士の争いよりも感情的な部分の問題が多く,深刻なものとなり,かつ,長期にわたるものになりがちです。
また,仮に協議が成立しない場合には,家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることが必要になり,時間と費用がかかってしまうことになります。
第3 遺言作成の必要性
被相続人が適式な遺言書(法律用語では「いごんしょ」と読みます。)を作成している場合,被相続人が亡くなった後,相続財産は遺言の内容通りに相続人に分配されることになり(遺留分や特別受益という例外はありますが,これらについては後日紹介します),上記のような共有状態になることはありません。その結果,被相続人が亡くなった後,相続人間で遺産分割をする必要もなく,どの財産を誰が取得するかで兄弟や親子の間で紛争が生じる余地はほとんどなくなります。
このように,生前に遺言を作成することにより,残された親族の方の後々のトラブルを防ぐことができます。
第4 弁護士に是非ご相談を
上記のように,遺言書を作成することで後々のトラブルと防ぐことがで きるのですが,遺言書が効力を有るためには,法律で定める要件を満たした遺言書を作成することが必要です。
遺言書をご自身で作成することも可能ですが,形式的な不備があると法 律上無効な遺言書となってしまうリスクがあります。
遺言書の有効性に関する争いを防ぐためにも,遺言書を作成しようと考 えられている方は,是非,竹口・堀法律事務所の弁護士までご相談ください。
竹口・堀法律事務所では,法律の専門家として,ご相談された方のご意 向を十分に反映し,かつ,法的に有効な遺言書の作成のお手伝いをさせていただきたいと考えています。
また,竹口・堀法律事務所では,今後,作成された遺言を事務所において保管し,遺言書が紛失した等のトラブルを防ぐためのサービス行っていきたいと考えています。
それ以外にも,「遺言書を作成しておらず,遺産分割でもめている。」「遺言書はあるが被相続人が本当に作成したのかどうか疑わしい。」といった相続に関するお悩みのある方も,是非,お気軽に竹口・堀法律事務所までご相談ください。
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