【トラブル事例:海外の旅行予約サイト~日本語が通じない場合も~】
相談事例
卒業旅行で東京に行こうと思い、インターネットの旅行予約サイトでホテルを予約した。
しかしサイトからの確認メールが届かないので予約できなかったと思い、他にホテルの空きが見つからなかったので東京行はあきらめた。
ところが昨日、予約しようとしたホテルからメールで無断キャンセル料1万5千円を請求された。
予約サイトに連絡したところ日本語対応ではあるが、海外業者のようで話が通じない。
どうしたらいいか。(20代、女性)
アドバイス
事例は海外OTA(営業拠点を海外におきネット上だけで取引を行う業者)の相談です。
海外OTAは、消費者との間で結ばれる契約が業者の国の法律に基づき、日本の旅行業法の適用も業界の自主規制等による消費者保護も受けられないのがほとんどです。
そのために色々なトラブルの相談が全国の消費生活センターに寄せられています。
「予約後すぐにキャンセルしたのにキャンセル料100%を請求された」「為替レートが変わって価格が高くなった」などの相談があります。
またトラブルになった際「コールセンターにつながらない」「日本語が通じない」などの相談も寄せられています。
旅行予約サイトを利用する場合は、業者名、住所、代表者名、旅行業登録の有無、問合わせ先や対応言語、キャンセル条件や利用規約などを十分に確認してください。
【トラブル事例:デート商法のトラブル~好意があっても契約は慎重に~】
相談事例
3週間前、SNSで知り合った県外の女性とデートをした。
アクセサリーショップに勤めていて、自分でデザインした商品もあると誘われて店に見に行き、50万円のブレスレットを契約してしまった。
「私のアクセサリーを身につけてほしい」「売れないと店での立場がない」と言われ断ると嫌われると思った。
その女性とは1週間位前から連絡が取れなくなった。
だまされたのだろうか。代金はクレジット決済したが、解約したい。(20代、男性)
アドバイス
相談者は店に行くまでアクセサリー販売の勧誘を受けるとは考えておらず「販売目的の隠匿」であること、断りにくい状況の中で勧誘を受けたこと、クーリングオフ(無条件契約解除)期間を過ぎた途端に女性からの連絡がなくなったこと(クーリングオフ回避の疑い)など問題点を指摘し、業者に対して契約解除を求めました。
業者の不当な勧誘などを定めた消費者契約法が改正され、これまでデート商法の相談を受けた場合、公序良俗違反などの抽象的な要件で業者に解約を要求するしかありませんでしたが、同法にデート商法や霊感商法、就職セミナー商法などが契約の取り消し対象に追加されたことで、事例のようなケースも救済される可能性が高くなりました。
【トラブル事例:転売チケットのトラブル~無効となる場合も~】
相談事例
インターネットの転売サイトで大好きな音楽グループのコンサートチケットを購入した。
売り出し即完売になる人気のツアーで、公式サイトで9千円のチケットが2万円と高額だったがどうしても行きたかった。
代金はクレジット払いにしたが、ちゃんとチケットが送ってくるか心配になってきた。
信用できるサイトか教えてほしい。(20代、男性)
アドバイス
これまでチケット転売は「ダフ屋行為」として都道府県の迷惑防止条例で取り締まられていましたが、インターネットでの売買は条例の規定に該当しませんでした。
そこで、「ダフ屋行為」に加え、インターネット上のチケットの不当な高額転売等を禁止する「チケット不正転売禁止法」が令和元年6月からスタートしました。
チケットは正規のルートで購入しましょう。
チケットを購入した公演に行けなくなった場合は公式のリセールサイトを利用しましょう。
公式のリセールサイトは興行主の同意を事前に得ているため、そのサイトを通じて定価での転売・購入が可能です。
また、公式サイトを装ったサイトもありますので、契約する前にサイト運営事業者の所在地や連絡先が明示されているか確認してください。
【トラブル事例:不用品回収業者のトラブル~業者の比較検討を~】
相談事例
一人暮らしの母親が施設で暮らすことになり、家財を処分することにした。
インターネットで「2トントラック1台分3万9,800円~」という県外業者の広告があり、電話して部屋数や大まかな荷物量を伝えた。
見積書は搬出当日に受け取ることになった。
昨日の搬出前、業者から50万円の見積書を渡されてびっくりした。
ガラの悪い業者で恐かったので、20万円を支払い残金は後払いにした。(50代、女性)
アドバイス
広告に記載されている金額で契約できるとは限りませんので、事前に複数の業者から見積書を取り、料金だけでなく作業内容も比較検討しましょう。
作業時には家族や周りの人に立ち会ってもらうことも大切です。
また、家庭から出される不用品を業者が有料で収集する場合は、一般廃棄物処理業の許可が必要です。
未許可業者に頼むと不法投棄につながるケースもあるので、許可の有無も事前に確認してください。
事例では、意図する金額とはかけ離れた契約をいきなり迫られていることから、業者にクーリングオフの通知をしたうえで交渉しました。
業者は「不満なら裁判すればいい。お金は返さない。」と主張し交渉に応じようとしませんでした。
相談者は返金を求めず、残金支払いには応じないで様子を見ることにしましたが、その後相談はありませんでした。
【トラブル事例:通信販売の定期購入トラブル~内容や解約条件をきちんと確認~】
相談事例
1か月前、スマートフォンで「1週間でシミが消えた」「お試し価格1980円で15日間返金保証あり」という化粧水の広告を見つけた。
早速申し込んで届いた商品には4か月の定期購入コース、2か月目からは9980円と記載されていて不審に思った。
それでも試しに1週間使ってみたが効果もない。
業者に解約と返金を求めたが、解約は4か月経過後、返金保証は肌に合わなかった場合のみとの回答だった。
納得できない。(40代、女性)
アドバイス
インターネットなどの通信販売による相談が増加しており、その中でも定期購入の相談はとても多くなっています。
通信販売で「お試し価格」「初回○円」「送料のみ」といった広告を見て、試しに使ってみようと思い申し込んだところ、定期購入契約になっていたという相談です。
2回目以降に商品が届いて初めて定期購入であることに気づいた、解約しようと業者に電話してもつながりにくい、つながっても高額な解約料を請求されたというケースが目立ちます。
商品を注文する時は、商品の印象やお得感ばかりに気を奪われがちですが、契約内容や解約条件を見逃さないようにしましょう。
特に定期購入が条件となっていないか、条件となっている場合はその期間や支払総額などを確認しましょう。
広告の端や一番下に、薄く小さな文字で表示されていることも多いので注意してください。
また、通信販売にはクーリング・オフ(無条件契約解除)は適用されませんので、その点にも注意しましょう。
【トラブル事例:暮らしのレスキューサービス~複数の業者から見積もりを~】
相談事例
今朝、急に自宅のトイレのタンクに水がたまらなくなったので、急いでネットで業者を探して修理に来てもらった。
しかし、「古いトイレで修理できない」と言われトイレ交換を勧められた。
30万円の交換工事見積もりで商品カタログは後で持ってくるという話だったが、早く直したかったので契約した。
業者が帰った後で、見積書に記載されたトイレの型式をネットで調べると、便座部分と便器・タンクのメーカーが違うなど不審だ。
売れ残り品の寄せ集めではないのか。明日工事予定だがクーリング・オフしたい。(70代、男性)
アドバイス
トイレ修理、水漏れ修理、害虫の駆除、鍵の修理等日常生活でのトラブルに事業者が対処する、いわゆる「暮らしのレスキューサービス」の相談が寄せられています。
「広告の費用表示と請求額が違いすぎる」「見積もりが高額だったので断ったらキャンセル料を請求された」「施工が悪く完全に直っていないのに対応しない」「強引な勧誘を受けて予定外の契約をした」など相談内容はさまざまです。
事例は、修理に業者を呼んだのに、予定になかった交換工事を急に勧められて契約していることから不意打ち性が高く、法律上の訪問販売に該当すると判断しました。
クーリング・オフ(無条件契約解除)を求めて交渉し、この業者は応じましたが、交渉に応じないケースも多くなっています。
契約する場合は、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や料金を十分に検討しましょう。
また、水漏れや鍵開けなど特に緊急を要する場合に備えて、トラブル時の初期対応や安心して修理を依頼できる業者の情報など、事前に情報を集めておきましょう。
水漏れの指定工事店は自治体のホームページなどで確認してみてください。
出典
長崎県消費生活センター発行
くらしの情報2020春号3月~6月
くらしの情報2020夏号7月~10月
竹口・堀事務所では消費者トラブルに関する相談をお受けしております。
消費者トラブルでは早めの相談が解決の糸口になります。
当事務所では初回相談が30分無料となっております。
もしトラブルに巻き込まれてしまった時には一人で悩まずにできるだけ早く相談にいらして下さい。