売買の予約は,当事者の片方による意思表示であり,これによって売買契約が成立するのではありません(民法第556条)。
同予約に基づいて予約完結の意思表示(予約完結権の行使)がなされることによってはじめて,当該売買契約が成立します。
したがって,「売買予約契約書」という契約書が作成されることもありますが,法律上は,「契約」とは言い難いと思われます。なお,契約書という書面をもって予約の意思表示と解釈すること自体は可能かと思われます。
特に不動産の売買などは金額が大きいですから,予約がなされたに過ぎないようなケースでも,紛争となり得ます。
当事務所でも,そのような事案がありました。